∽ エイ革の特殊技巧 ( テクニック ) ∽

エイ革は柔らかさと丈夫さを兼ねそなえることから加工が非常に難しく、その美しさを表現することは職人たちの永遠の課題でもあります。
ルナロッサ・ヨッピー では変化しつづける革の表情をよみながら熟練した職人がひと針ひと針 手縫いで丹念に仕上げます。
手触りや光沢感も上質な絹のように滑らかになるよう丹念な手磨きによって丁寧に仕上げられます。
全ての工程をハンドメイドにこだわったエイ革専門ブランドの「本物のエイ革」を是非 お手にとってご覧ください。

《エイ革に特化した製法とヨッピー独自の手法》

1、「他にはない縫製技術 “ヨッピーステッチ” 」
エイの革は縫製が非常に難しく工業用のミシン針が折れるぐらい鱗が硬いので、一般的にミシン縫いの場合は、エイ革に切れ目を入れて縫うか(写真2)、玉縁を施して(この場合、エイ革の裁断面を隠すために別の革で巻く方法)、針を折りながら鱗を避けてジグザグに縫製する(写真3)ことが多いです。

ルナロッサ・ヨッピーでは全てを手縫製にこだわっております(下記※)。しかし、一般的な(牛革等を扱う)職人がエイ革を縫製すると、鱗が不均一に並んでいるため牛革のように目打ち(写真4)等でただまっすぐに穴をあけてしまうと色々な方向に鱗が割れてしまう為、縫いがガタガタになってしまいます。
ヨッピーではその割れる方向を読み極力線がまっすぐになるように鱗を少しずつ割っていきます。そして手縫いの特徴である緩急をつけて縫う方法と糸のよりを調整しながら縫う方法で一針一針できるだけまっすぐなるように縫っていくのが「ヨッピーステッチ」(写真1)です。

また、エイ革に切れ目(写真2)を入れてしまうと、鱗の角が立ってしまい洋服などにテンションがかかってしまうこと、その部分の鱗が剥がれてしまう可能性が高いことなどがあります。ヨッピーが生み出した「ヨッピーステッチ」(写真1)では鱗ごと縫製するのでその心配が少なく、ステッチ独特の凹凸と糸の光沢によりエイ革作品にマッチするよう淡路谷 佳幸により生み出されました。

〔↓ヨッピーの縫い〕

写真1 ヨッピーステッチ (手縫い)

〔↓ヨッピー以外の一般的な縫い1〕

写真2 一般的な切れ目を入れたときの縫い(手縫い、ミシン)

〔↓ヨッピー以外の一般的な縫い2〕

写真3 一般的なミシン縫い(玉縁縫い)
写真4 菱目打ち工具

※「ミシン縫製と手縫いの違い」
ミシン縫製は下糸を上糸がすくい上げて縫い上げる為、一端が擦り切れると連続してほつれる可能性があります。しかし、手縫い(ひらぬい)の場合は両端に針をつけ交互に交差して縫います(なみ縫いを両方からしている感じです)。よって一端が擦り切れても連続してほつれないという利点があります。なので馬具や靴などの擦り切れる可能性がある部分には今だに手縫いが使われます。手間やコスト、技術が要る手縫いですがアジがあるだけでなく、実は物理的に強い縫い方なのです。

『淡路谷 佳幸の腕』「ヨッピーステッチ」は鱗の硬さや不均一さゆえ難しく、穴をあけていても一針一針縫い上げていくには非常に力が必要なので長年していると特殊な筋肉が付いてきます。

2、「特殊研磨技法と丹念なコバ処理」
エイ革の裁断面はセラミックを割ったような状態(鱗の硬さはヒトの歯や骨と同じくらいの硬さがあります)になっており、そのままにしておくと危険ですのでコバ処理を行います。一般的に玉縁を施して裁断面を隠すこともありますが(写真3)、巻く革がエイ革より弱い場合、いずれ擦り切れて裁断面が出てきてしまいます。またそのまま裁断面を研磨する場合もエイ革の柔らかさによってはとても難しいものとなります。
ヨッピーで用いるエイの革はとても柔らかく、しなやかです。しかし、裁断面は革がしなやかになればなるほど鱗のクッションとなってしまい、ただ平面的に研磨をしても平滑にはなりません。ヨッピーでは研磨時、裁断面から数mmの間に硬化剤を入れて柔らかい革が硬い鱗と一体になった状態を作り出します。そして丹念に研磨を繰り返し、調合したコバ液で色を付け、光沢出しを行います(写真5)。

写真5

ヨッピーではエイ革の研磨技法を作品や箇所によって変えています。
例えば、コバに用いた特殊研磨技法では、エイ革の裁断面をいかに平滑に仕上げるかを追求したものでした。しかし、エイ革の表面の研磨方法は、コバに用いたものとは違います。
粒一つ一つを平らに研磨したものは、角度が変わるとキラキラと乱反射が綺麗なものになりますが、面の角が立っているので洋服や肌にテンションがかかりやすくなります(写真6)。
テンションがかかってはいけない部分には、粒一つ一つに丸みを帯びた研磨を施します。手作業で一つずつチェックしながら手磨きしていくので仕上がりは極上です(写真7)。

写真6
写真7